春を待つ日
 
 
 由乃×祐麒シリーズ第八弾。
 やがて形を変えていく、二人の関係。止まらない、止まっていられない恋愛模様。
 
*        *        *
 
*!* 注意 *!*
『マリみてで男女のカップリングなんて許せない!』
という方は閲覧をご遠慮下さい。

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ご了承下さい。
 
*        *        *
 
第一話
「再来週、かな」
 長いよ、と由乃は小さく言った。祐麒もその通りだと思った。
 
第二話
「そっか。よしよし」
 間が空いたのは、そう言うのが恥ずかしかったからじゃなくて、正直に話すという選択肢を捨てるのに時間がかかったから。
 
第三話
「終点、M駅です。お忘れ物の無いように――」
 何かに憑り付かれたように淡々と運転手が言って、祐麒も人の流れに乗ってバスを降りた。
 
第四話
「祐巳さん」
 振り返れば、山口真美さんが何やらむず痒そうな表情で立っていた。
 
第五話
「電話、久しぶりなんじゃない?」
「……ほっとけよ」
 ぶっきらぼうに言ってから、保留のボタンを押して受話器を耳に押し付けた。
 
第六話
「え? ああ、これ」
 自分でも分かっていたのか、祐麒は空いている方の目の下をなぞると、力なく笑う。
 
第七話
「前、こんなことがあったんだ」
 うん、と真剣に応える由乃さんを前に、祐巳は「慎重にしゃべらなきゃな」なんて緊張感を覚えた。
 
第八話
「あら、呆れられるようなことした自覚、あるんだ」
 由乃が突付くようにそう言うと、祐麒は苦く笑った。表情は複雑で、何がいいたいのかまでは分からない。
 
第九話
「どうして、そう言うことになるのよ」
 湧いて出てきた感情は、間違いなく怒りだった。
 

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