第二話:『杏仁豆腐』


杏仁霜と言ったら、杏仁豆腐の元です。
じゃあ杏仁豆腐を作るに決まっているでしょう。
ですが、サービスなんちゃらとか言うやつで俺には常に時間がありません。
いえ、決して俺が物臭なわけではないのですよ。
それに普通に作ってしまっては面白くないですし。




きっと誰だって一度は考えたはずだ!



という事で、『杏仁クライシス』の中で登場した即席杏仁豆腐でございます。
もしこの豆腐のサイズの杏仁豆腐なら200円はするでしょう。
しかしこの豆腐は50円。それに20g(44円分)の杏仁霜を載せたら、消費税が付いたって半額です!
なんてリーズナブルなんでしょう。




とりあえず、鎮座。



なんとなく中華っぽい皿でGOであります。
最高に適当な盛り付けであります。




んで、のっける。



今時の男はワイルドさが足らんのですよ。
なので杏仁霜をワイルドにぶっかけ、いざ実食!

ふむ、杏仁霜の仄かな甘み。
そして少しザラザラした豆腐の食感。
……全然杏仁豆腐っぽくねぇYO。

一体何が足らないのか。
はにはに本編を思い出してみよう。
直樹にどうして杏仁豆腐が好きかと聞かれた美琴はこう答えました。

「……なんでだろ? 甘いから?」

そうだ、甘さが足りないんだ!




角砂糖、ここに降臨。



よし、これで万事OK。
角砂糖を齧りながら豆腐を食い続ける。

途中でふと気付く。
ちょっと待て、いくらなんでも角砂糖はおかしい。
ほら、もっとちゃんとした物があるはずだ。




やっぱ時代は氷砂糖っしょ!



これでバッチグーっしょ!
って、そんなわけがない。

今まで食べていて気付いたけど、杏仁豆腐をつくる時は牛乳を使うらしい。
だからコクが足りなかったのか。




おいどんの牛乳を注ぐでごわす!
飛んでるって!




で、何コレ?



豆腐が牛乳びたしでございます。
決して汁まみれとか、くだらん事は考えていませんのであしからず。

で、ひたすら食べ続けるワケですが、三分の一程食べた所でゲップがでました。
時刻は11:30。その前に飯を食ったのは2:00頃ですから、お腹が減ってるはずなのに、三分の一でゲップ。
イッツ豆腐マジック。

それにしてもマズイ。凶悪なまでにマズイです。
角砂糖と氷砂糖で確かに甘くなったのですが、甘い豆腐というのが精神上よくない。
杏仁豆腐はとろけるような食感ですが、こっちのはザラザラ。
これは溶けてない杏仁霜のせいもあるでしょうが、何とも気持ち悪くなってくるのです。




まだこんなにあんのかよ……。



何でこんなにデカイのを買ってしまったのだろう?
吐き気を堪えながら後悔してももう遅い。
氷砂糖を舐めながら豆腐を切り崩していきます。




あーマズかった。



▼総評
自分の考えがどれ程浅はかだったか思いしらされました。
どう頑張っても本物の杏仁豆腐には成り得ない上、ちょっぴりトラウマ気味です。
杏仁の風味なんてあってないような物で、豆腐の我が強すぎます。
これは流石の美琴さんも食えまいて。


評価  :★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
杏仁度:★★☆☆☆☆☆☆☆☆


第一話へ  戻る  第三話へ
...Produced By
...since 04/02/27
...直リンOK 無断転載厳禁