■ マジ狩る☆由乃 第二話『炎の魔女がマイブーム』 ※この作品は壊れ系ギャグです。読まれるさいは十分にお気をつけ下さい。
またこの話は『魔法使い記念撮影切ないほど』の続編となっております。 OPテーマ 「ハッスル☆マジ狩る!」 原曲 キン○マンU世 「ハッスル!○ッスル!」 ズガガンガガンガン! ズババンババンバン! マジ!狩る!☆ファイヤァァァー!! ぶおおおおー!! (由乃の口から) (ちょっ、まっ、待たんかいぃぃー!!) いつもヤになる たまらない毎日 わたしは前 アレを 持ってポーズとったばかりに そのステッキには 数々の怒りと 誤解を呼ぶ 的な 誤字が待ち受けているだろう 嫌過ぎて倒れそうな時には トラウマの記憶 奴(サンペイ)に見せられて (マジ狩る☆ウェイブ!) うぉーおおー! マジ狩る☆由乃はハッスル! わたしの心はそのつど 壊れてしまった あすさえ プライドさえ 写真返せ!! ハッスル☆マジ狩る! 私の背にかかる負担に えーえかげんにせいよ!! おまえら ファ○ク ユー!! ズガガンガガンガン! ズババンババンバン! マジ!狩る!☆ファイッ!! ぶおおおおー!! (やっぱり口から) 「こ、こら、マジ狩るぅぅ!! 何度言ったら分かるのよ!! 口からは止めろ、っていってるじゃないの!!」 ぴかっ ぴかっ ぴかっ 「ベスト☆チョ椅子!」 「ふっ、ふざけんなあぁぁぁー!! マジ狩るぞ☆オラァァァ!!」 第2話 「炎の魔女がマイブーム」 「あ、あかんで、さっぱりやで! どないなっとんや!」 いきなり意味不明な言葉を叫んで由乃の神経をいい感じに刺激してくれるのは、魔法の国からやってきたケロル三等兵こと、サンペイだった。 「……何がさっぱりなのよ」 どちらかというと、(全然)さっぱりなのはここ最近の由乃の状況ではないだろうか? 思い出すのもいやな話だが、このクリーチャーと関わってから人生を左右しかねない素敵な写真を撮られたり口から激しく炎を吐いたりトンデモネーミングをつけられたりろくな目あっていない。 「よしのん、これを見てみい」 サンペイはそう言って、一枚の紙を由乃に渡してくる。 「……萌:0 笑:32 感:1 何これ??」 「前回のよしのんの勇士を見てくれた、ありがたい視聴者さまからの感想ポイントや」 視聴者? 感想? ……ちょっと待て? 「サ、サンちゃん、ちょっとお聞きしたいのだけど」 「何や?」 「こ、このポイントってのは何を表してんのかしら?」 「見た目どうりや、「萌」が萌えたら「笑」が笑ったら「感」が感動したらお茶の間のみなさんから投票してもらえるんや」 「そ、その、お茶の間、のみなさんとやらは、どこの人たちのこと?」 「そりゃもちろん、うちの世界のセレブな人たちのことやで」 「つ、つまり、この前のアレは?」 この前、つまり、由乃が変身ポーズをとったり、口から火を噴いたりしたときのことだ。 「ああ、しっかりとお茶の間のみなさんによしのんの活躍は流れとるから」 今のサンペイの言葉を聞いたとき、由乃から、人としての大切な何か、というものが激しく流れた。 「おっ、おんどりゃあ!! なにさらっとワシの人権無視しとんじゃあ!!」 だが、由乃の鬼の形相にもサンペイは涼やかな表情を浮べている。 「ここで問題なんは「萌」がゼロ、いや、笑いの数から考えてマイナスになっとるといっても過言やないで」 「わ、わたしが、わたしがわるいんかい!」 ぴかっ ぴかっ ぴかっ 「ボス☆わるくない」 「マジ狩る、あ、あなた」 ぴかっ ぴかっ ぴかっ 「だってボス☆は会心だよ!」 「つまり私は、会心の作、っていうことね!」 このトンデモステッキにも由乃の魅力が分かったみたいだ。 (ようやくこの由乃さまの魅力が伝わったみたいね。ふふ、かわいいいじゃないの) 由乃はステッキのフォローに思わず胸がキュンと暖かくなっていると、 ぴかっ ぴかっ ぴかっ 再びステッキが輝いてきた。 (あら♪ まだわたしの魅力を伝えきれないわけ) 由乃はうきうきしながら水晶を再び覗いてみた。 「ごめん☆まちがい」 「え??」 由乃がその意味を図りかねていると、再び水晶の文字が変わった。 ぴかっ ぴかっ ぴかっ 「正 ボス☆破壊神だよ! しょうがないよ」 ギュン!! 由乃の胸がギュンと熱くなった。煮えたぎった。 引きつった笑顔をしながら由乃はサンペイの方に顔を向ける。 「……ねえ、サンペイ? このステッキぶち折ってもいいかしら」 ぴかっ ぴかっ ぴかっ 「いまのは☆うそ(汗」 いつかへし折ってやる!! という決意を新たに由乃がしていると、サンペイが呆れたような声で話し掛けてきた。 「はじめに言ったけど一番重視されるんは「萌え」や、それなのにあんさんはゼロやでゼロ、ありえへん」 「知るか!!」 由乃は思わずそう叫ぶと、サンペイが人を喰ったような笑みを浮べてくる。 「いやー、ここだけの話。萌えを10ポイント超えたらあんさんもお役ごめんで開放されるんやけどなー」(にやり) 「なっ、なんですってー!!」 由乃は、そのサンペイの言葉にすかさず食らいつくた。 「本当!! 言っとくけど、今のはウソ、はないんだからね!」 「ああ、約束するで」 よし、それなら由乃にもやる気が出てこようものだ。 「まずはやっぱり、アレやな。どうやったら萌えが増えるんかを理解せんとあかんわな」 「ふん、そんなの決まってるじゃない! 人助け、そう、困っている人をこのかわいい由乃さんが一人か二人マジ狩るでお助けしたら、そんなのあっという間よ!」 というわけで、とりあえず由乃はこの恥辱にまみれた生き地獄から開放されるために街中を散歩してみることにした。 まあ、そう簡単にそんな危険にめぐり合うことなど無いだろう。だが、無ければ作ってやればいい。正義の魔法少女らしからぬことを由乃が考えていると、意外にもそれは簡単にやってきた。 「きゃー! だれか、あそこに女性がチンピラに絡まれているわ!」 「おっ、出番やで」 「わかったわ、じゃあ魔法でビビット解決してやるやらからなんかいい魔法教えなさいよ」 「よっしゃ、じゃあステッキを右斜め45度にチンピラに抉りこむように打ちこんでみい。そうすればやつらの身体は木っ端微塵になるで! その名も必殺!「マジ狩る☆爆殺」や」 「よーし あなたの内臓☆ぶちまけちゃうぞ! じゃねえぇぇ!!!」 「なんや、嫌なんか?」 「当たり前じゃあ!! 何処の世界にステッキで肉弾戦をやらかす武闘派魔法少女がいるのよ! だいたい殺す必要がないわ! ほら、マジ狩るあんたもなんかいいなさいよ!」 ぴかっ ぴかっ ぴかっ 「お煮☆あい!」 「ことこと煮込んだろかぁぁ!!」 「なんや、ほかのがえんか?」 「当たり前よ!! ほら、もっと魔法使いらしい解決方法があるでしょ! 例えば、魔法の光線を発射して相手を気絶させるとか」 「おっ、それならいい技があるで。相手を見据えながらステッキを握って叫ぶんや。必殺!『マジ狩る☆ビーム』と、そうすれば正義の光が迸り悪の心を絶つことが出来るで!」 それを聞いた由乃は思わずニヤリとした。 「いいじゃない、そういう魔法少女として絵になるモノが欲しかったのよ!」(にやり) 「よっしゃ、今やで!」 ばーん!!(※変身してます) 「ちょ、ちょっと、あんたたち! こ、このマ、マジ狩る☆クラッシャーミラ狂由乃が来たからにはもう許さないわよ!」 (うっうっうっ、もう、許して) むしろ由乃の方が許しを請いたく思ったが、由乃はその気持を押し殺し「萌え」を稼ぐため颯爽と「人として大切な何か」を捨て力強く宣言した。 ファーン♪ その由乃の宣言と一緒に、どこからとも無く音楽が鳴り響いた。 「ちょっ、なっ、なんなのよ、いったい!?」 由乃がいきなりの展開にビックリしていると、その由乃を安心させるかのようにサンペイが由乃び話しかけてきた。 「ああ、そういや言ってなかったな。これは、あれや、テーマソング。マジ狩る☆由乃のテーマソングってやつや」 「テ、テーマソング? そっ、そんなもんあるの??」 「せや、やっぱり見せ場ちゅううんはバックに音楽があった方が盛り上がるやろ。あ、ちゃんとマジ狩るがよしのんのイメージに合わせてくれとるから」 「さ、最後の一言が、一番安心できないんだけど」 だが、由乃の不安とは裏腹にこの音楽はえらくスローテンポでまったりとした感じだった。 (なんか癒し系って感じ? 馬がヒヒーンて鳴いてるし。まあ、清純系な私にはピッタリかしらね。へえ、やるじゃないマジ狩る。見直したわ!) と感心していたら、そのミュージックは突然アップテンポに変わった。 デンデンデデンデンデン♪ デンデンデデンデンデン♪ (な、なんか知らないけどいきなり随分とノリがよくなったわね。…ってなんかどこかで聞いたことあるような?) 何かいやな予感がしながら、由乃が自分の記憶をたどっていると。 チャ〜〜〜チャチャチャ〜〜チャチャチャ〜〜チャチャチャ〜チャチャチャ〜♪ サビの部分で思いっきり記憶がよみがえった。これは、アレだ。あの人の入場曲だ。 「……ってなんでわたしのテーマソングがスタン・ハ○センの入場曲なのよ!! こらぁぁ!!」 ぴかっ ぴかっ ぴかっ 「私用☆だよ」 「ウィィィィー!! どんな仕様じゃぁぁー!!!」 そんな押し問答をやっていると、由乃の右手についたサポーターが輝き始める。 サンペイが、ここがチャンス! とばかりのような声で由乃に声を掛けてきた。 「今やで! マジ狩る☆ラリアットでやつらを狩ってやるんや!」 「よーし! あなたの細首☆ヘシ折ってやろうかぁぁぁ!!! どんな魔法少女じゃあぁぁぁ!!」 ここでチンピラ二人が口を挟んでくる。まあ、無理もないかもしれない。はたから見れば怪しいステッキを握り締めてぶつぶついっているかわいそうな人以外には見えないそうにもない。 「なにごちゃごちゃいってるんだ? ひょっとしてあれか? おまえってかわいそうなヤツか?」 「顔がいいのにもったいないな」 ぷちん。 (う、うるさいわ! わ、私だって、私だってね、好きでやってんじゃないわよ!!) もう知るもんか。あんたたちがわるいんだから。 由乃はマジ狩るを握り締めてチンピラたちに対峙した。 「もう容赦しないわ、正義の鉄槌を下してあげる。マジ狩るわよ! 悪の心を。必殺!マジ狩る☆ビィィィム!!」 ヴイィィィー!!! 次の瞬間、緑色に光る正義のビィムがチンピラ二人に向かって放たれた。……由乃の両眼から、ってやっぱりかぁぁぁぁ!! そしてその怪光線は視界がいきなり緑色に染められ由乃が動揺したためわずかに狙いがそれ、チンピラたちの隣に演出上生えていた樹齢300年はあろうかという樹木に直撃し。 スパパン! と見事なまでにその樹木を真っ二つに一刀両断した。 それを見た由乃は凍り付いた表情でサンペイに叫ぶ。 「ちょっ、まっ、待たんかいぃぃぃ!!! サッ、サンペイ、どういうことか説明しなさいよぉぉぉ!!」 言われた方のサンペイはやはりというかなんというか涼しげな表情で、そのつぶらな瞳を安心させるかのように由乃に向けていた。 「大丈夫や。ちゃんと説明が入るから安心せい」 その声に答えるかのように、由乃の頭の中に謎の声が響く。 説明しよう! 「マジ狩る☆ビーム」とはミラ狂由乃の「マジ狩る☆ゲージ」がMAXになったとき、目玉からナゾの怪光線がビビィー! と発射され敵も味方も見境なくなぎ払ってしまうとても危険な怪奇現象だ! 良い子は真似しちゃだめだぞ。(宇宙刑事風) 「でっ、できるかぁぁぁぁー!!!」 ヴィィィィー!! 「きぃぃゃあー!! 誰か止めてー!!」 マジ狩る☆由乃が正義のビームを悪に向かって解き放つ。 普通であれば魔法少女らしいシチュエーションだったはずのそれは、「ピンクのひらひらを付けた美少女が両眼から怪しい緑色の怪光線を放つ」というホラーかつシュール以外何者でもないものだった。 ヴィィーィーィ・・ しばらくしてようやく由乃の両眼から射出していたマジ狩る☆ビームが止まった。 チンピラ二人は、お互いに抱きつきながら由乃の方へ恐怖に引きつった表情を浮かべながら泣いている。 そして由乃の方は、心の中で血の涙を流していた。 「うわあー!! あ、兄貴ィ、あいつ目から光線だしやがった!!」 「へ、変なのは見た目だけじゃあなかったのかよ。ば、化け物ー!!」 「…あ、あの、ちょっと待って」 「た、助けて、マリアさまー!! も、もう悪いことはしません!!」」 だっだっだっ!! こうして悪は去った。おまけに改心もした。 だが、去るものがあれば、くるものもある。 ずごごごご!! 由乃の胸の中には、悲しみが去った後、マグマのように煮たぎったものが行列が出来るほどに到来していた。 「やったで、よしのん! 見事な必殺!マジ狩る☆ビィイム!やったで」 「・・・・・・ねえ、サンペイ。必殺!マジ狩る☆ビーム」が私の目玉から放たれたのはなんで?」 「そりゃ、マジ狩るの演出に決まっとるやろ。いやあ魔法少女として絵になるモノが欲しいっていったからある意味、見事なまでによしのんにピッタリのイメージやろ」 ぴかっ ぴかっ ぴかっ 「うん よしのん☆さっぱり じゃなくてぴったり!」 ぷち 「・・・・・・おまけにあんなぶっとい大木が真っ二つだったのだけど、確か、悪の心を狩る、っていってなかったっけ?」 「ああ、悪の根源を立つという意味や。設定でサービスして設定で破壊力を上げといたで。よしのんのパワーアップってやつや」 ぴかっ ぴかっ ぴかっ 「うん よしのん☆あっぷあっぷ!」 ぷちぷち 「・・・・・・ふーん、私の知らない間に随分と魔法少女も芸風がかわったのね。いきなりホラー路線なの?」 「せや、ちびっこたちが見れば拍手喝采、憧れることまちがいなしや。よしのんは真ニューヒーローってやつや!」 ぴかっ ぴかっ ぴかっ 「うん よしのん☆貧乳疲労!」 ぷちぷち・・・・・・ぷっちん!! 「ふっ、ふざけんなぁぁぁ!!! どこの世界に目ン玉から怪光線を発射して、悪人を一刀両断して事態を爽やかに解決する魔法少女がいんのよ! ちびっこが見たらおもいっきりトラウマになるわぁぁぁ!! マ、マジ狩るぞおまえらぁぁぁ!! マジ狩る☆ファイヤァァァー!!!」 ぶおおおお!!! (やっぱり口から) 終わり。
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