(なんで俺なんですか)
(さっちゃんのリクエストだ)
(…了解)
「はーい、生徒会長の福沢祐麒です。花寺TV、今回は夏休みスペシャルとして、長野県某所にお集まりの山百合会の皆さんに『胸キュンしたこと』についてお話していただきます。ではさっそく、祐巳」
「そりゃ、可南子の全日本のユニフォーム姿でしょ。姉バカなのを差し引いても、あれは格好良くて胸キュンよ。キュン死によ」
「志摩子さんは?」
「そうね…、この間見たツバメの雛たちかな。親鳥が餌をくれるのを待っている姿が可愛らしかったわ」
「良いですね。では由乃さんに薔薇様の最後を締めて貰いましょうか」
「あたしは山辺さんの娘さんがグッジョブだったわね。あれはたぶん母親似ね。菜々と良い勝負よ」
「では、続いてリコ」
「あたしはイク時の祐麒くんかな。それまで激しく動いてたのに『ウッ』って可愛い声出すの」
「おぃリコ、なんてこと言うんだよ!!」
「へぇ、祐麒ってそんな風なんだぁ」
「顔に似合わず、ワイルドなんだ」
「…出来ればカットして欲しい」
(無理だ、こんな面白いことを)
「やっぱり先輩、鬼だ…。令さんは?」
「大学の友達ね。彼女、かなりのMっ娘でね…」
「由乃さん、令さんのキャラ、変わったね…」
「毎週、池袋に通ってるからね。今のところ、あまり実害は無いから放置中」
「では、最後に祥子さんに…」
「こないだ、武道館にライブを見に行ったのよ。そこに出て来た○野アリカ様のお姿に胸キュンだったわ。あぁ、あんな風に鞭を振るいたいわ…」
「…先輩、ご愁傷様です」
(おいおい、見捨てるのか?)
「えぇ、俺にはそっちの趣味は無いですから。あっ、祥子さん。あそこに練習台が居ますよ」
「ホントね。じゃあ、インタビューはここまでで。さぁ、優さん、今日からあたしのことは
『女王さま』
と言うようにね」
(ははは……終わった……)
「さて、祥子さんが楽しんでいる間に、俺たちはカラオケにでも行きますか」
「良いわね。あたし『姉妹王誕生・超究極最終神話バージョン』歌いたいな」
「じゃあ、あたしの車に乗っておいてね。祐麒、ナビお願いね」
「了解」