■ キスマーク
 
 
 
 
梅雨がやって来る前のさわやかな陽射しが降り注ぐ5月のある昼下がり。

「瞳子、もう一度言ってくれる?」
「なんだか、強烈に聞き間違えしたような気がするんだけど?」

乃梨子と可南子は、瞳子の部屋の壁に掛かる時計で時間を確認して聞き返した。

「だから、2人はイタしてる時にキスされて、痕を残されたことあります?」

やはり2人の空耳ではなく、瞳子はそう言ったのだった。

「突然呼び出されてやって来たら、いきなりソレ?まだお昼まわったとこよ?」

乃梨子は呆れたように言うと、置かれていた麦茶を口にする。

「あたしには重要な事なんです!!」
「でも、時間を考えなさいよ!!」
「まぁ、落ち着いたら。あたしも、天下のバカップルの話は聞きたいし、別にあたしにとって、話し
ても痛くない話題だから」

可南子はチラッと横目で乃梨子を見る。

「あたしも東洋1デカいカップルの生活は聞きたいわね」

乃梨子は余裕の表情で切り返す。

「まぁ良いわ。で、瞳子は彼氏とついにそんな関係になったけど、彼氏にかなりキスマークをつけられると」

ストレートな可南子の言葉に、瞳子は顔を真っ赤にして俯く。

「まぁ、男って独占欲の強い生き物だから。うちは止んだ」
「祐麒くんは今でもたまに目立たないとこにしてくるなぁ」

付き合いだして3年の可南子と、交際5年目に突入し、祐巳、由乃、志摩子らの陰謀によって、4月
から同棲している乃梨子にとっては、この程度の話は朝飯前である。

「例えばどんな場所に……」
「う〜ん、はじめはやっぱり首筋とかかな。ねぇ可南子?」
「あと胸とか?」

記憶をさぐりながら2人は言う。

「はじめはそういったとこにされるんだ……」

ボソリと呟いた瞳子の言葉に、2人はピクリと反応する。

(この反応は……)
(と言う事は……)

互いに目配せをして、乃梨子はごく自然に瞳子の正面から近寄る。

「瞳子」
「はい?」
「脱ぎなさい」
「ちょ、乃梨子、やめっ」

瞳子は乃梨子の手から逃れようと、後ろに下がる。
しかし、下がったところで両肩(と縦ロール)をグワシッと掴まれた。

「あたしと乃梨子が逃がすと思って?」

顔を上げると、いつの間にか後ろにまわっていた可南子が極上のスマイルを浮かべていた。

「「さぁ、あたしたちに瞳子の愛されてる印を見せて頂戴!!」」


翌日、マリア様のキャンパスでは、お肌がツルツルの乃梨子と可南子と、疲れきってげっそりとした
表情の瞳子が目撃された。











久々にエロいのを書くと楽しいです。

はい、西日本マリみてSS作家エロい人トップ5の1人、川菜平太です。
さて、今回は瞳子に彼氏を作ってみました。

名前は出てないですが、瞳子の彼氏はマリみての登場人物から設定してます。
これ以上、恋人役にオリキャラ出すのはマズいだろうってのもありますが、そう言うのを無しにして
も、自分のなかで『瞳子の彼氏はヤツしかいない』と思っているキャラですね。
ヒントとしては、瞳子より年上で、うちのバカップル以上の愛情(またの名を糖度w)を、瞳子に注
いでいるヤツです。

皆さんの推理、感想、お待ちします。
 
 

 
 
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...Produced By 川菜平太