■ 抱き枕
 
 
 
 
「リコ…」
 自室のベットの上、俺は恋人の顔を思い浮かべる。
―5日以上、リコと会っていない―
 別にケンカだとかそういう訳ではなく、ただ単にリリアンが修学旅行なだけである。
 忙しいテストなどの間もあっているので、7日間と言う日々は俺にとって拷問である。
「はぁ、あと3日か…」
 そんな事を考えていると、不意にドアを叩く音がした。
「はい?」
「祐麒、あなたあてに荷物よ」
 宅急便が届いた事を教えに来た母さんだった。
「今行く」


「『二条菫子』って、リコのおば様からか。多分、リコが頼んだんだろう。にしても、かなりデカいなぁ」
 箱は祐巳などなら1人入れるくらいの大きさで、重量もそこそこ重い。
 取りあえず自室まで運んで、中を確認する。
……
……
……
 中身を確認した俺は、思わず宛名にかかれた電話番号に電話した。

『はい、どなた?』
「こんにちは、福沢祐麒です…」
『あっ、その様子だと、例の物は届いたみたいね』
「なんですか、あれは?」
『あれ?悶々としている青少年に、あたしからのプレゼント。リコの等身大プリントの抱き枕。なにか不満ある?』
「菫子さん、スク水はエロすぎます」

――イタリア――

「クシュンッ」
「なに乃梨子、風邪ひいたの?」
「いや、誰かが噂したみたい。それより可南子、夕子さんと次子ちゃんに何か買って行きなよ」
「そうね」


「ベースの写真は眼鏡のお嬢ちゃんから200円で買ったのよ。欲しければ頼べば。あと、物は返却不可だからね」
「…………」


数年後


「そうそう、祐麒君。例の物ってまだあるの?」
「…ありますけど、なにか?」
「えっ、バレてないの?」
「いや、すぐバラしましたよ。だけどあれ、リコ自身が気に入って、うちに来る度に抱いてましたから」
「そ、そう…」








あとがき
抱き枕って良いですよ。
 ごきげんよう、変態ネクストゲイ・川菜平太です。
景さんのメイドネタを作ってた時に読んだSSの抱き枕ネタがあったんで、それを活用させていただきました。
川菜作品の時期的には8耐のあとの話ですね。(実は最近、自分でも時間軸が把握出来ていないので、
矛盾が出ていたら、こっそりBBSに(全然こっそりじゃない)書いてください)
 抱き枕に関しては真面目な話、気持ちが落ち着くなどの心的リラクゼーションから需要が結構あるみたいですよ。
 まぁ、祐麒はさらに悶々としそうですが(笑)
では、ごきげんよう。





おまけ

「菫子さん、祐麒君の抱き枕も作れるかな?あと、可南子が祐巳さまのを欲しいらしいんだけど」
「わかったわ。写真を用意しといてね。枕会社に発注するから」
 
 

 
 
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