■ あくしでんと
 
 
 
 
「ねぇ、そこの黒髪とレイヤードボブのお姉さん。俺たちとお茶しない?」
「いえ、結構よ」
「あたしたち、待ち合わせしてるから」
「まあまあ、そう言わずにさぁ…」
そう言って1人が黒髪の女性の肩を掴もうとする。
しかし、横から出てきた手によって手首を掴まれ、そのまま腕を決められる。
「痛ててててっ」
「てめぇ、なんだよ!!」
もう1人が仲間の手首を掴んでいる男に突っ掛かる。
しかし、掴んでいる男は冷静に言う。
「なに、俺の恋人に触れようとしたのを止めただけさ」
「はぁ、ボコられたいんか!?」
そう息巻く男の背後から、新たな人物が現れる。
「あたしと祐麒くんに勝てると思ってるの?」
その声の主を見た瞬間、男達は怯んだ。
「ゲッ、『ブラッディーローズ』」
「あたしのアングラネーム知っている割に、自分達がナンパしようとした相手が誰かとかは知らないのね」
「ちょい待て。こいつ、花寺の福沢じゃないか?」
「あの無敵のユキチか!!」
「それじゃぁ、この2人は…」
4人の正体に気付き、顔色がなくなる男達。
「今すぐ消えたら、見逃してあげるわ」
「「うわぁぁ」」
そう叫びながら、男達はどこかへと消えてしまった。


「にしても、乃梨子。大丈夫だったか?」
「うーん、出来れば『俺の妻』って言って欲しかったかなぁ」
乃梨子は少し拗ねたように言う。
「ちゃんと婚姻届を出したら、イヤってほど言うよ」
そう言って、祐麒は乃梨子の頭を撫でる。
「それより、春海さんをお姉さまと勘違いするとはね」
可南子は姿が見えなくなった男達をけなす。
「背丈が違うんですけどね。祐巳様とは」
そう言うレイヤードボブの少女は祐巳ではなく、あの赤星鯨の実の妹、赤星春海であった。
「じゃあ春海さん、あたしたちは行くね。鯨さまによろしく」
「こちらこそ、ご迷惑おかけしてすみません」



「ところで2人とも。なんで待ち合わせが秋葉原なの?」
「ふっふっふっ。それはね…」
祐麒の問いに、乃梨子が怪しい笑いを浮かべる。
「『カチューシャ』がチャイナDAYで、KEYさんとYO―KOさんから、
あたしたちの前後の山百合会全員が招集されたのよ…」
悲しげな表情で可南子は事実を告げる。
「頑張ろうね?『祐子ちゃん』」
「ははははは……。はぁ……」
祐麒はがっくしとうなだれてしまった。










あぁ、おバカな内容。
はい、川菜です。
今回のお話は、とにかく『バカ』な話を書くってのがコンセプトでやりました。
そしてオリキャラ…なのか、あの娘は(笑)
鯨さんが某所で使ってる名字を勝手にいじって使いました。
次からは姉妹をセットで使うんでしょうね。
あと『カチューシャ』はメイド喫茶ですね。(某KEYさんが働いてますから)
お店の元ネタが判る方、いらっしゃりますかね?(3人ほど、いらっしゃりそうですがw)
 
 

 
 
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...Produced By 川菜平太