乃梨子の恋 ――見つけた。
 
小石の跳ねる音と一緒に、貴女の陰を。
 
 
見上げた貴女に手を貸せば、私の髪は乱れ踊る。
 
貴女には、そんな姿を見せたくない。
 
 
「立てる?」
 
 
だけどもし、貴女の手が私の髪に伸びるなら。
 
いつでもこの手を、差し出すよ。